【ECO導入事例】

山形県東根市様:LINEを活用した粗大ごみ収集申込受付
-LINEによる申込率が35%を突破

事例概要

導入団体 山形県 東根市東根市
主な利用機能 KANAMETO ECO

東根市が抱えていた課題

これまで東根市では、粗大ごみの収集申込みを電話と窓口で受け付けてきました。収集までの流れは下記のとおりです。

  • 1)申込時に案内される収集日・受付番号・料金をメモする
  • 2)粗大ごみの証紙を購入し、受付番号等を記入する
  • 3)記入済証紙を粗大ごみに貼り付けて、玄関先などへ運び出す

従来の口頭でのやりとりでは聞き間違いやメモの漏れなどがあり、必要金額分の証紙が貼られていない、収集日当日に粗大ごみが出されていない等のトラブルにつながっていました。

また、年間で約400件にのぼる収集申込みを市職員が対応しており、業務負担となっていました。市民にとっても、市役所の開庁時間内に申込みを行う必要があり不便でした。

以上の課題から、オンラインで収集申込みを受付可能で、申込内容が明記された完了メッセージや収集日のリマインド通知を自動配信できるツールが求められていました。

粗大ごみ受付システム「KANAMETO ECO」導入を決定した背景

東根市では、LINEから24時間365日いつでも収集申込みを受付できるツールとして「KANAMETO ECO」を採用しました。下記の3点が導入の決め手となりました。

1. LINEの利用率の高さ

東根市では、オンラインによる申込受付手段の中でも特に「LINE」に着目しました。LINEの月間アクティブユーザー数は9,900万人(2025年6月末時点)に達し、幅広い世代で日常的に利用されています。

市民の生活に密着したLINEアプリ上で、収集申込み・キャンセルなどの手続きや収集日のリマインド配信が行える「KANAMETO ECO」を高く評価しました。

2. 汎用電子申請システムと比較した優位性

東根市では、「KANAMETO ECO」の導入にあたり、既存の電子申請サービス「やまがたe申請」と比較検討を行いました。「やまがたe申請」でも収集申込み自体は可能でしたが、市民・市職員双方に使いにくい点があることが明らかになりました。

具体的には、収集希望日をカレンダー画面から選択できる機能がない、リマインドメッセージを自動配信できないなどの制約があり、特に管理者による承認機能が備わっていない点が決定的でした。

LINEで自動受付した収集申込みに不備や不明点がある場合、職員が申込者へ架電し詳細を確認したうえで承認・非承認を決定したいというニーズがあったため、承認機能は不可欠でした。

こうした背景から、収集申込みの受付・管理に特化した「KANAMETO ECO」の導入が最適であると判断しました。

3. 廃棄物処理組合との連携フローを崩さないシステム導入

収集申込みは東根市が受け付けますが、実際の収集作業はクリーンピア共立(東根市外二市一町共立衛生処理組合)が担っています。これまでは、東根市が受け付けた申込みをExcelにまとめ、メールでクリーンピア共立へ送ることで情報共有してきました。

「KANAMETO ECO」は、申込情報をCSV形式で出力できる機能があるため、申込受付後の運用を大きく変えずに導入できる点も評価されました。

LINEで粗大ごみの収集申込みを受け付ける流れ

LINEで粗大ごみの収集申込みを受け付ける流れ(①「ごみについて」から申込フォームへアクセス/②カレンダー画面から収集希望日を選択/③「お申込みにあたっての確認事項」を全てチェック/④粗大ごみの分類・名称から捨てたい品目を登録/⑤連絡先・粗大ごみの写真・排出場所等の情報を送信)

収集希望者は、東根市LINE公式アカウントのリッチメニューから「ごみについて」をタップし、申込フォームにアクセスします。カレンダーから収集希望日を選択後、粗大ごみ品目の選択画面に遷移します。粗大ごみの分類や名称から捨てたい品目を検索し、数量を指定します。続いて、収集希望者の氏名・住所・連絡先・粗大ごみの写真・排出場所などの情報を入力、送信します。

収集希望者からの申込情報を受信後、市職員による内容確認・承認を経て収集申込みが完了します。その際、申込みが確定した旨がLINEメッセージで収集希望者へ自動的に通知されます。

収集日が近づくと、申し込んだ粗大ごみの内容や処理料金が明記されたリマインドメッセージが届くため、証紙の購入ミスや粗大ごみの出し忘れの防止につながります。

「KANAMETO ECO」の導入効果

東根市では、2024年7月より「KANAMETO ECO」を導入し、LINEによる収集申込受付を開始しました。これにより、市民と市職員の双方に以下のようなメリットが得られました。

1. 市民利便性向上 -LINE利用率が35%突破

電話・窓口による申込受付も継続しているため、市民にとっては従来の申込手段に加えてLINEが利用できるようになりました。市役所の営業時間に関わらず、24時間365日いつでも市LINEアカウントから収集申込みができるようになり、利便性が向上しました。
導入から1年以上経過した2025年9月現在、東根市で受け付ける粗大ごみ収集申込みの約35%がLINE経由となっています。

2. 収集申込受付業務の効率化

LINEによる収集申込みは自動受付されるため、市職員は申込内容に疑義がある場合のみ収集希望者へ連絡すればよく、申込受付業務の負担が軽減されました。
さらに、電話・窓口で受け付けた申込みも「KANAMETO ECO」管理画面から登録することができます。LINE経由の申込情報と併せて一元管理することで、業務効率化を実現しました。

東根市ご担当者様のコメント

<東根市生活環境課 門脇 様>
「KANAMETO ECO」を導入して以来、収集申込情報の入力誤りや収集日当日のトラブルもなく、スムーズに運用できています。申込フォームに情報入力する際、排出する粗大ごみに関する補足説明や排出場所の写真を添えてくださる市民も多く、システムの趣旨をご理解の上、ご利用いただけていることを実感しています。
また、市の広報紙で毎月、粗大ごみ収集日のお知らせとともに東根市LINE公式アカウントのQRコードを掲載するなど、LINEの利用率を上げる工夫も行っています。
今後も市LINE公式アカウントの活用を通じて、さらなる業務効率化と利便性向上に取り組んでまいります。

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