【導入事例】宮崎県都城市様:市民・関係人口向けにLINEをフル活用

事例概要

導入企業 宮崎県 都城市
主な利用機能 KANAMETO PUSH
(アンケート機能、セグメント配信機能、キーワード応答機能、
定期配信機能、チャットボット機能、通報ソリューションなど)
KANAMETO TALK
(タグ機能、定型文機能、アウトバウンド機能など)

都城市が抱えていた課題

市民とのコミュニケーションを活性化させるとともに、関係人口の増加や移住につなげるために、市政情報や地域の魅力を効果的に発信する必要がありました

都城市では、2015年、2016年にふるさと納税額が全国1位となるなど、関係人口を増やす取り組みを推進すると共に、移住促進にも力を入れてきました。市運営サイトではAI を活用したイベント情報掲載など、市民向けの情報提供も強化していました。
都城市の魅力を発信し、関係人口を増やし、移住を促す、そして地域が活性化して魅力がさらに高まる、そうした好循環をより強固にする仕組みを求めていました。
そこで、都城市は、利用者数が8,600万人(*)を誇るLINEに注目し、都城市のLINE公式アカウントを開設することを検討し、「市民向けの便利なサービス・情報の提供」「関係人口への情報提供」「移住促進」をLINE上で実現するために必要な「LINE公式アカウントのAPI対応ツール」が必要でした。
(*)2020年9月時点

課題解決のためのソリューション

セグメント配信、チャットボット、LINEチャットなど豊富な機能を備えたツールを導入

都城市は、LINE株式会社(現・LINEヤフー株式会社)に相談したところ、transcosmos online communicationsを紹介され、同社が提供する「KANAMETO(カナメト)」を導入しました。
KANAMETOは、LINE Technology Partnerにも認定されており
・アンケート回答結果に基づくセグメント配信
・シナリオ型のチャットボット
・LINEチャット対応
が1つのツールで実現可能であり、都城市が実現したかった情報配信やサービス提供、移住相談対応が全て実現可能でした。

具体的には、主に以下の用途でLINEを活用しています。

  • 1)リッチメニューによる市の玄関口
  • 2)セグメント配信による情報提供
  • 3)キーワード応答によるごみ分別方法の案内・定期配信機能によるごみ収集日の案内
  • 4)チャットボットによるFAQ(よくある質問)への対応
  • 5)通報ソリューションによる市民からの情報提供受付
  • 6)LINEチャットによる移住相談

都城市でのLINE活用全体像(KANAMETO)

1)リッチメニューによる市の玄関口

都城市では、KANAMETOの動的リッチメニューを活用して、様々な市政情報にアクセス可能な玄関口を提供しています。
「基本メニュー」「コロナ関連」「お楽しみ」の3種類のリッチメニューを掲載し、メニュー画面上部にあるタブをタップすることで表示を切り替えられます。各リッチメニューは最大で12分割でき、暮らしの基本情報や新型コロナウイルス関連情報、イベント・地域振興に関する情報など、幅広い情報を分かりやすく提供しています。
また、このリッチメニューから後述のチャットボットや市民からの情報提供受付、移住相談へ繋がっています。

都城市LINE公式アカウントのリッチメニューによる市の玄関口 基本のリッチメニュー 新型コロナウイルス関連メニュー 「お楽しみ」メニュー

動的リッチメニューを活用することで、様々な市政情報を分類して分かりやすく提供することができます

2)セグメント配信による情報提供

都城市では、KANAMETOのアンケート機能で取得した情報にもとづき、
・市民向けの情報発信
・市外の友だち向けの情報発信
を行なっています。
LINE公式アカウントに友だち追加すると「欲しい情報」を「イベント」「子育て」「ごみ収集日」「ふるさと納税」「移住」「婚活」「市政だより」「記者会見」「就職応援」「お得な情報」などから自由に選択可能です。
この選択された「欲しい情報」にもとづき、都城市は「セグメント配信」を行なっています。
例えば、「イベント」を選択している市民には、都城市の中心市街地中核施設である「Mallmall」で実施される「みやこんじょボランティアフェスティバル」の案内を配信し、「移住」を選択した市外の友だちには、都城市の魅力や仕事を紹介する県外でのセミナー情報を配信しています。

セグメント配信による情報提供(イベント情報の配信、移住情報の配信)

さらに、2021年2月からKANAMETOのセグメント別開封率取得機能が追加され、セグメント配信したLINEメッセージの開封率を取得できるようになりました。
都城市が2020年に行った先行テストでは、8つのセグメントについて配信メッセージの開封率を取得・分析しました。その結果、各セグメントの開封率を比較すると最大20%超の開きがあり(平均開封率73.5%)、中でも「子育て」セグメントの開封率が最も高く、89.5%というデータを得られました。
セグメント別開封率取得機能の活用によって、配信内容の精査が容易となり、市民に寄り添い必要とされる情報発信を推進することができます。

セグメント配信による情報提供(セグメント別:LINEのメッセージ開封率、セグメント配信の平均開封率)

市民や市外の友だちの個々のニーズに合わせた情報配信を行うとともに、セグメント別開封率取得機能によって配信メッセージの効果検証が可能となり、より利用者から求められる効果的な情報発信を実現

3)キーワード応答によるごみ分別方法の案内・定期配信機能によるごみ収集日の案内

都城市では、「ごみ収集」に関するサービス提供に注力しており、LINE上で「ごみの分別方法の案内」と「ごみ収集日の案内」を行なっています。
「ごみの分別方法の案内」は、LINEのトークルームで「冷蔵庫」等のキーワードを入力して送信すると、ごみの分別方法や出し方がメッセージで返ってきます。これは「キーワード応答」機能を利用しており、キーワードとして1,000以上の単語が登録されています。
「ごみの分別方法」は、都城市の公式ウェブサイト上でアクセスの多いページであることから、市民にとって身近なLINEで簡単に分別方法を調べられる機能提供を行なっています。
あわせて都城市で取り組んでいるのは「ごみ収集日の案内」です。アンケートで「欲しい情報」として「ごみ収集日」を選択している友だちに対して、同じくアンケートで回答された「居住地」に合わせ、各地区の「ごみ収集日カレンダー」に沿って「ごみ収集日」の案内を配信しています。
これは、KANAMETOの「定期配信機能」を活用しており、アンケート回答結果にもとづく「セグメント配信」を「定期実行」する機能です。「毎週●曜日」や「隔週●曜日」などの配信日設定が可能で、さらに年末年始の収集対象外の日程は「除外日」として設定可能になっているため、ごみ収集日カレンダーそのままの配信が簡単に設定可能なため、各地区に合わせた配信が実現しています。

キーワード応答によるごみ分別方法の案内・定期配信機能によるごみ収集日の案内

地域での暮らしに不可欠な「ごみ分別方法」「ごみ収集日」に関する情報発信を充実させることで、市民生活の利便性向上に寄与

4)チャットボットによるFAQ(よくある質問)への対応

都城市では、市民等からのお問い合わせが多い市政情報について、FAQ(よくある質問)に自動応答するチャットボットを提供しています。利用者は、LINE上に表示されるシナリオに沿ってタップするだけで、いつでも手軽に欲しい情報を調べることができます。
KANAMETOのチャットボット機能では、シナリオを自由に設定でき、作成可能数に上限はありません。
都城市のLINE公式アカウントでは、2021年2月時点で、
・証明書の取得方法
・移住、Uターン
・公共交通
・ふるさと納税
の計4種類のチャットボットが提供されています。

証明書の取得方法に関するチャットボット

例えば、市民が取得する機会が多い証明書に関する情報を提供するチャットボットでは、取得手段について「窓口」と「郵便」の2つに分岐した上で、証明書の種類に応じて取得方法を個別に案内します。
提供開始から約4ヶ月間で約2,000回利用されており、単純計算では友だち全体(当時)の約45%に相当する利用回数です。

チャットボットの活用によって、利用者は時間や場所を問わずにLINEから手軽に欲しい情報にアクセスできるようになり、役所に寄せられる定型的な問い合わせの削減にも繋がっています

5)通報ソリューションによる市民からの情報提供受付

都城市では、KANAMETOの通報ソリューションを活用して、2020年8月末から、野生のサルやイノシシ、シカの目撃情報を通報するシステムを開始しました。市民からの通報情報を蓄積・分析することで、野生サル等のより詳細な行動範囲や行動パターンの把握が可能となり、有効な獣害防止対策の検討に役立てることができます。鳥獣被害防止におけるLINEの活用は、全国的にも珍しい取り組みです。
目撃者は都城市LINE公式アカウントから、日時、画像、位置情報、目撃した野生動物が群れか単独かを入力するだけで、簡単に手早く通報できます。通報プロセスはLINE上で完結し、役所の開庁時間に関わらず365日24時間いつでも手軽に目撃情報を送信できます。通報シナリオに沿って漏れなく情報を聴き取れるので、高い通報精度を保つことができます。
提供開始から約4ヶ月間で32件の目撃情報が寄せられ、獣害防止対策の検討に活かされています。

野生サル等の目撃通報システム

また、野生生物の目撃通報だけではなく、広く市民が地域の魅力に関する情報を発信する場としてLINEを活用しています。
例えば、都城市では地域の魅力をアピールする写真を市民等から募集し市ホームページに掲載する「みやこんじょ時計」を提供しており、LINEから投稿写真を受け付ける際にKANAMETOの通報ソリューションを活用しています。
市民が地域生活を送る中で見つけた魅力を積極的に情報発信することで、市民自身の地域に対する愛着心を醸成するとともに、都城市においても市民が発見した新たな魅力を対外的に発信することで、関係人口の創出や移住検討者に対するアピールの一助となります。

地域の魅力に関する投稿募集

通報ソリューションを活用して地域に関する様々な情報を吸い上げることで、市民の声をまちづくりに活かすとともに、LINEを市民と行政の双方向なコミュニケーションの場として展開することができます

6)LINEチャットによる移住相談

従来、電話で受付を行っていた「移住相談」をLINEチャットでも受付開始しました。これは全国初の試みです。
LINEチャットは、
・匿名での問い合わせ
・画像のやり取り
・市役所の開庁時間外での連絡
など、電話に比べて優れた点を有しており、都城市への移住に興味を持った人々と緩やかなコミュニケーションが可能な点が特徴です。

都城市のLINEチャットによる移住相談

移住相談とともに、上述の「移住、Uターン」に関するチャットボットの提供や、欲しい情報として「移住」を選択した友だちへのセグメント配信を併用することで、移住に興味を持った層が関連情報に接触する機会を増やし、移住検討度の向上に寄与します。

移住に関心がある層とLINEで緩やかなコミュニケーションを維持するとともに、関連情報の発信を続けることで、本格的な移住の検討に繋げます

都城市ご担当者様のコメント

<総合政策部 デジタル統括課 副主幹 佐藤泰格様>

現在、自治会の加入率低下や新型コロナウイルス等の様々な問題・課題が生じる中、自治体にとって悩みの一つである情報発信の分野で、LINEは非常に魅力的なツールです。
実際に、都城市ではLINEの活用で、市が抱える各種課題を解決するとともに、市民のみならず、市外の方にも迅速で、きめ細かな情報発信ができるようになりました。
特にLINEチャットを活用した移住相談は、移住に力を入れている都城市の特色ある施策となっています。
LINEの活用に当たって、KANAMETOを利用することで、予算・工数面において少ない負担で、LINEの機能を余すことなく利用することができています。
様々な新機能リリースも続いており、自治体のニーズに寄り添った対応をして頂けるのも大きな魅力です。
実際に、都城市公式LINEアカウントは随時アップデートし、現在では情報発信のみに留まらず、行政の効率化及び市民サービスの向上を両立できる、本市に欠かせないツールとなっています。
都城市では、今後もLINEの積極的な活用により、市民サービスの向上や市の魅力発信等を図ってまいります。

都城市LINE公式アカウントQRコード

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