【導入事例】静岡県三島市様:保育所入所手続きの来庁予約をLINEで自動受付
- 市政情報配信も強化し、市民生活に密着したLINE公式アカウントを実現

事例概要

導入企業 静岡県 三島市三島市
主な利用機能 KANAMETO PUSH
(予約機能、アンケート機能、セグメント配信機能、定期配信機能など)

三島市が抱えていた課題

市民に寄り添った市政情報配信を行い、市民・職員双方にとって利便性が高いLINE公式アカウントを実現するために情報配信機能を拡充すると同時に、コロナ禍の中、市民の来庁による窓口混雑を解消するためLINEを活用した予約受付・管理も可能なシステムが必要でした。

三島市は2019年7月26日、LINE公式アカウントを開設し、災害・緊急情報、イベント情報、市からのお知らせなどを市民向けに配信してきました。
当初、LINE公式アカウントの標準機能を利用して情報発信を行ってきましたが、市民が求める情報を効果的に配信するには不十分でした。例えば標準機能では、ユーザの性別・年代などの属性情報を推定して配信先を絞り込むセグメント配信機能がありますが、町丁単位で居住地域を絞った情報配信や、子どもの年齢に沿った子育て支援情報の提供など、市民の個々のニーズにきめ細かく対応することはできませんでした。
幅広い分野の行政情報を発信する自治体の業務性質上、市民の属性やニーズに合わせて適切な情報を届けられるセグメント配信が求められていました。
更に、LINE公式アカウントの利便性を向上させ市民による利用度を高めるために庁内で活用範囲の拡大を検討したところ、市民対応を行う現場から来庁予約をLINEで受け付けたいという声が上がりました。
現状、役所の手続きは、市民の来庁を求める業務が大半です。これまで予約の受付手段は電話が中心で、職員による対応工数が負担になっていました。事前予約を行っていない手続きもあり、窓口の混雑により来庁者を長く待たせるケースもありました。
特に2020年から始まったコロナ禍では、感染拡大防止という観点から、窓口の「密」を回避するニーズが浮上しました。
三島市では、セグメント配信など効果的な市政情報配信を実現できる機能とともに、市民からLINEで予約を受付・管理できるソリューションを備えたLINE運用ツールの導入を検討していました。

課題解決のためのソリューション

LINEを活用した予約受付・管理、セグメント配信、チャットボットなど、オールインパッケージで対応できるLINE運用ツールを導入

三島市は、LINEからの予約受付と効果的な市政情報配信を両立するツールとして、transcosmos online communicationsが提供する「KANAMETO(カナメト)」を導入し、2021年2月26日に三島市LINE公式アカウントをリニューアルしました。

【KANAMETOを導入した三島市LINE公式アカウント】来庁予約の受付・管理(予約機能)/各種手続き・支援情報のご案内(チャットボット)/市民ニーズに合わせた情報配信(セグメント配信)/ごみ収集日の定期的なお知らせ(定期配信)

市民からの予約受付・管理という課題には、KANAMETOの予約ソリューションによってアプローチしています。市民はLINE公式アカウントのメニュー画面から予約フォームを起動し、時間や場所を問わず手軽に予約手続きができます。予約日が近づくとリマインドメッセージが自動で届けられ、予約を取り消したい場合もLINEからキャンセル手続きができます。
三島市では、例年10月に実施している次年度の保育所入所手続きにかかる来庁予約に予約ソリューションを活用しました。
これまで保育所入所手続きでは事前予約を行わず、来庁順に手続きを行っていました。ピーク時には1時間近くの待ち時間が発生し、小さな子どもを連れた保護者の負担となっていました。手続き人数の見通しが立たないことによって、来庁者を待機場所に案内する工数などが発生し、職員の通常業務にも支障が出ていました。
そこで、2021年10月実施の保育所入所手続きにおいて、LINEによる予約制を導入しました。手続窓口を4つ開設し、予約枠を1コマ30分間、定員4名に設定しました。市民は、日頃から使い慣れているLINEから24時間いつでも予約でき、子育ての合間にスマートフォンのタップ操作だけで簡単に申し込むことができます。

三島市LINE公式アカウントにおける予約手順

2021年9月27日に保育所入所手続きの来庁予約を開始し、受付初日時点で100名以上の方からLINE経由でお申込みがありました。
今回は事前予約を必須とし、LINEを利用していない市民向けに電話予約も受け付けました。電話で受け付けた予約内容も、KANAMETO管理画面から登録することで、予約情報を一元管理できます。
2021年10月7日から21日までの来庁予約を受け付け、期間中に約330名が予約し、申込者のうち約90%がLINEを利用しました。
予約制の導入によって、ほとんどの申込者が待ち時間なく受け付けられるようになり、窓口の混雑を解消できました。職員にとっても、申込人数に合わせて適正な人員配置や業務計画の策定が可能となり、業務効率化につながりました。

▼予約制導入前後の比較(保育所入所手続き)

2020年2021年
予約制なし(先着順に手続き)LINE・電話による事前予約(必須)
申込人数約 400 名約 330 名
(その内LINEによる予約が約90%)
効果・影響 ・窓口が混雑し、来庁者が密集
・子どもを連れた保護者が長時間待機を強いられる
・来庁者への対応工数が発生し、職員の通常業務を圧迫
・窓口の「密」を回避
・待ち時間の解消
・適正な人員配置を計画できるようになり、職員の業務効率化に貢献

来庁予約の受付にLINEを活用することで、窓口の「密」回避や待ち時間の解消につながり、申込者が安心して手続きできる環境を整えられました。
また、申込者の約90%がLINE経由で予約し、予約制への移行をスムーズに実現できたとともに、職員の業務効率化にもつながりました。

更に、KANAMETOの豊富な機能を活用して、より効果的な市政情報配信を実現することができました。
市民からのよくある質問に自動応答するQAチャットボットを新たに導入しました。「オンラインで行うことができる手続き」「各種証明書の取得方法」「子育て支援情報」などについて、市民はLINEからいつでも手軽に疑問を解決できます。
KANAMAETOのセグメント配信機能によって、市民は欲しい情報だけを選んでLINEで受け取れるようになりました。居住地域や年代に合わせた市政情報が届けられるほか、子どもの年齢に沿って健診などの子育て情報を受け取ることができます。併せて、居住地域にごみ収集日のお知らせを定期的に配信するサービスも開始し、市民から好評を博しています。
市民一人ひとりの暮らしに寄り添った市政情報配信を継続的に行うことで、LINEで行っている予約サービスの利用者増加につながります。その一方で、LINEの予約機能を利用するために友だち追加した方に対しても、個々のニーズに合わせたきめ細かな情報配信を提供することで、普段から三島市LINE公式アカウントに親しんでもらう効果を狙えます。
このように1つのLINE公式アカウントにおいて、市民からの予約受付と効果的な市政情報配信を両立することで、市民の利便性が向上すると同時に、更なる友だち追加につながる相乗効果が生まれています。

2020年まで1万人に満たなかった友だち数は、LINE公式アカウントリニューアル後、倍増しました。2021年12月時点で友だち数は26,000人を超え、市内人口に基づいて計算すると、市民のおよそ4人に1人が三島市LINE公式アカウントを友だち追加している結果になります。

三島市ご担当者様のコメント

<企画戦略部 広報情報課 デジタル戦略室 杉山 翔一朗 様>
セグメント配信やチャットボットなどKANAMETOの豊富な機能を活用することで、三島市LINE公式アカウントを様々な市民のニーズに寄り添った総合的な市政情報配信媒体としてリニューアルできました。
特に予約の受付・管理では、市民の待ち時間や窓口混雑の解消、職員の業務効率化など、大きな成果を得られました。市民・職員双方の利便性が向上し、行政手続きのデジタル化に向けた第一歩になったと感じています。今後は、マイナンバーカードの土曜日受取予約手続きなど、幅広い事業で予約機能の活用を予定しています。
これからもLINEを住民と三島市の接点として活用し、市民サービスの向上に取り組んでいきます。

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