【導入事例】千葉県松戸市様:LINEを総合的な子育て情報配信媒体として活用
- 妊娠期から子どもが中高生へ成長するまで、必要な支援情報を切れ目なく配信

事例概要

導入自治体 千葉県 松戸市松戸市
主な利用機能 KANAMETO PUSH
(セグメント配信、施設検索、チャットボット、きずなメール連携など)

松戸市が抱えていた課題

市が実施している子育て支援策に関する情報を、必要としている市民へ分かりやすくタイムリーに届けるため、日本全国に普及している「LINE」において、情報を効果的に配信・案内できるツールが求められていました

松戸市は、「やさシティ、まつど。」をスローガンに掲げ、子育てしやすい街づくりに重点的に取り組んでいます。子育てインフラ・サービスの充実だけではなく、保育施設や放課後児童クラブの「質」を担保する取組が評価され、2021年、2020年に日経新聞社と日経xwomanが発表した「共働き子育てしやすい街ランキング」において、総合編1位を受賞しました。

全国トップレベルの子育て支援を実施している一方で、子育てに関する情報を必要としている市民へ、分かりやすくタイムリーに届ける手段は不足していました。

現在、松戸市の子育て支援情報は、市公式ホームページ「まつどDE 子育て」に網羅されていますが、知りたい情報を利用者自身がサイト内から探し出す必要があります。また、民間団体(子ども食堂など)のイベント開催など、届けたい人に向けてタイムリーに情報を提供することができませんでした。

プッシュ型の子育て情報発信ツールとして、乳幼児を対象とした「まつどDE 子育てアプリ(電子母子手帳)」や「まつどDE 子育てLINE(妊娠期~乳幼児期までの育児アドバイスメール)」がありますが、すべての子育て世帯を対象としたツールがありませんでした。

妊娠・子育て中の市民に対して、個々のニーズに合わせた情報を効果的に届けるため、松戸市は、月間利用者数9,300万人(*)を誇り市民が日常的に利用しているコミュニケーションアプリ「LINE」に着目しました。

(*)2022年9月末時点

妊娠期から始まり、子どもが乳幼児~児童~中高生と成長していく中で、それぞれの段階で市民が求める情報を継続して届けることができるLINE公式アカウント運用ツールが求められていました。

課題解決のためのソリューション

セグメント配信や施設検索、チャットボットなどの機能を備えたLINE運用ツールを導入し、市民の個々のニーズに合わせた子育て情報配信・案内を実現

2022年11月、松戸市は、transcosmos online communicationsが提供する「KANAMETO(カナメト)」を導入し、松戸市子育て情報LINE公式アカウントを開始しました。

これまで妊娠期~乳幼児期の育児アドバイスを発信してきた「まつどDE 子育てLINE」をリニューアルする形で運用を開始し、利用対象者に3歳以降の幼児~小中高生の保護者が加わりました。LINEトーク画面下部に表示されるリッチメニューを刷新し、幅広い子育て情報を分かりやすく分類して提供しています。

具体的には、以下の用途で活用しています。

  • 1)必要な情報を必要な人へ届けるセグメント配信
  • 2)子育て関連施設の情報検索
  • 3)チャットボット等を活用したFAQ(よくある質問)への対応
  • 4)「まつどDE 子育てLINE」の配信

1)必要な情報を必要な人へ届けるセグメント配信

利用者の子育て状況等を聴き取り、きめ細かなセグメント配信を行っています。利用者は、メッセージ配信を希望する情報カテゴリを19種類から選択できるほか、居住地区、世帯情報、保育所(園)の申込状況、子どもの生年月日などを登録することで、自身に関係がある市政情報を受信できます。

▼松戸市LINE公式アカウントにおける受信設定アンケート

松戸市LINE公式アカウントにおける受信設定アンケート

セグメント配信の活用によって、幅広い年代の子どもを持つ住民それぞれのニーズにあった情報を、1つのLINE公式アカウントにおいて、届け分けることができます。また、近日開催されるイベントのお知らせなど、タイムリーな情報を対象者へプッシュで届けられるようになりました。

2)子育て関連施設の情報検索

KANAMETOの施設検索機能を活用して、最寄りの子育て関連施設の情報をLINEで検索できるようになりました。

例えば、現在地近くの「子ども食堂」を探す場合、施設検索のシナリオに沿って位置情報を送信すると、最寄りの「子ども食堂」3か所の住所、電話番号、地図情報などが一覧で表示されます。利用者は距離順に利用したい施設を比較でき、検索結果に表示されたWebサイトへ遷移して、各施設の詳細情報を確認できます。

▼松戸市LINE公式アカウントにおける施設検索手順

松戸市LINE公式アカウントにおける施設検索手順(①リッチメニューから「施設検索」をタップ/②施設種別を選択後、位置情報を送信/③最寄りの施設3カ所の情報を距離順に案内)

子ども食堂のほかにも、下記の子育て関連施設の情報を、LINEからいつでも簡単に検索できます。

対象施設 内容
子ども食堂 地域ボランティアが運営する「子ども食堂」を案内
子育て支援施設 おやこDE広場/子育て支援センター/ほっとるーむ/病児・病後児保育/放課後児童クラブ/放課後KIDSルーム/こどもショートステイを案内
支所 子育て関連の手続きができる市役所の各支所を案内
児童館・こども館 最寄りの児童館・子ども館の情報を案内
中高生の居場所 中高生が無料で自由に利用できる安心・安全な居場所を案内
保健福祉センター 最寄りの保健福祉センターの情報を案内
市民健康相談室 保健師が赤ちゃんの発育等の相談を受け付ける相談室を案内
送迎保育ステーション 指定幼稚園への送迎や一時預かり等を行う送迎保育ステーションを案内
保育所(園) 駐車場がある認可保育施設/一時預かり実施の認可保育施設を案内
幼稚園・幼児教室 最寄りの幼稚園・幼児教室を案内

自宅や職場など利用者の生活圏内にある様々な子育て関連施設を手軽に検索できるようになり、各施設の認知度向上や利用促進につながります。

3)チャットボット等を活用したFAQ(よくある質問)への対応

FAQに自動応答するチャットボットや、複数枚のカード型メッセージで構成されたカルーセルメッセージを組み合わせて、幅広い分野の情報を分かりやすく案内しています。

例えば、「相談窓口検索」を選択すると、チャットボットが起動し、相談したい内容に応じた窓口の情報を案内します。

▼松戸市LINE公式アカウントにおける相談窓口検索チャットボット

松戸市LINE公式アカウントにおける相談窓口検索チャットボット(①「相談窓口検索」をタップ/②シナリオに沿って情報を探す/③欲しい情報にアクセス)

ほかにも、リッチメニューで「子育て関連手当・助成/電子申請」「子育て情報検索」「健康」をタップすると、画像・テキスト・ボタン等で構成されたカード型メッセージが複数表示されます。横にスクロールさせ、調べたい情報をタップすると詳細ページに遷移します。

これらの情報は、市子育て情報サイト「まつどDE 子育て」に集約、公開されていますが、LINE上でチャットボット等の情報案内機能を使って効果的に提示することで、住民の支援情報へのアクセス性が向上します。同時に、住民の自己解決を促すことで、電話等で市へ直接問い合せる回数を減らす効果も期待でき、市職員の業務効率化にもつながります。

4)「まつどDE 子育てLINE」の配信

KANAMETOのきずなメール連携を導入して、「まつどDE 子育てLINE」を松戸市子育て情報LINE公式アカウントにおいて、引き続き提供しています。

「まつどDE 子育てLINE」の受信設定アンケートから、出産予定日や子どもの生年月日等を登録すると、妊娠中の食事や生活のアドバイス、予防接種や授乳、離乳食など、妊娠週数や子どもの月齢に応じたアドバイスが、妊娠期から子どもが3歳の誕生日を迎えるまで切れ目なく届きます。

▼「まつどDE 子育てLINE」の受信設定と配信メッセージ(妊娠期/子育て期)

「まつどDE 子育てLINE」の受信設定と配信メッセージ(妊娠期/子育て期)

専門家(小児科医、産婦人科医、管理栄養士等)の監修により作成された子育てアドバイスや、松戸市からのお知らせ・イベント情報を、子どもの成長に合わせて届けることで、市民が安心して出産、子育てできる環境づくりに寄与します。

松戸市LINE公式アカウントは、妊娠・子育て中の市民の幅広いニーズに応える総合的な子育て情報配信媒体として生まれ変わりました

松戸市ご担当者様のコメント

<子ども部 子ども政策課 佐野 様>
KANAMETOの情報配信・案内機能を導入することで、必要な情報を必要な人に届けられる情報配信手段として、市LINE公式アカウントをリニューアルできました。
LINE上で行政から市民へプッシュで情報を届けると同時に、最寄りの子育て関連施設の概要を案内する「施設検索」やFAQを解決する「チャットボット」など、KANAMETOならではの機能を活用して、利用者自身が必要な情報を探し出すサポートにもなっています。
また、リニューアル前から「まつどDE 子育てLINE」を受信してきた市民にとっては、引き続き子どもの月齢に合わせた育児アドバイス等を受け取れるほか、各種子育て情報にアクセスしやすくなり、利便性が向上しました。将来的には、子育て関連事業の予約や申込みをLINEで受け付けられるよう、予約機能の活用も検討しています。
今後も、LINEを活用した子育て情報配信に取り組み、子どもや子育て世代にやさしい街づくりを推進してまいります。

松戸市LINE公式アカウントQRコード 松戸市LINE公式アカウントQRコード

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