【導入事例】熊本市様:市政情報をLINEでセグメント配信
事例概要
熊本市が抱えていた課題
熊本地震で広く利用されたLINEを市政情報配信に活用する方法が必要でした。
2016年4月14日に発生した熊本地震で電話回線が繋がらなくなった際、被災者の連絡手段としてコミュニケーションアプリ「LINE」が大きな役割を果たしました。2017年4月に総務省から公表された「熊本地震における情報通信の在り方に関する調査結果」によると、被災者の約4割が災害発生時にLINEを利用していた事が分かっています。
熊本市では、市民の間で利用が浸透しているLINEを活用し、復興情報だけでなくイベント情報等、様々な情報を配信する事を検討していました。
熊本市がLINEを活用して配信したい情報は、復興情報に始まり、イベント、子育て、健康、仕事に関する情報等、多岐にわたっていました。全ての「友だち」に対して画一的に同じ情報を配信していては、住民にとって「自分には関係ない」情報を多く届けてしまう事が懸念事項でした。LINE公式アカウント(当時「LINE@」)の標準機能では友だちの地域やニーズに応じたメッセージ配信の出し分けが行えないため、友だち毎に適切な情報を配信する「セグメント配信」が可能なツールが必要でした。
課題解決のためのソリューション
アンケート回答結果でセグメント配信可能なツールを導入
熊本市では、LINE公式カウントの「友だち」に対してセグメント配信を行うため、transcosmos online communicationsが提供する「KANAMETO(カナメト)」を導入しました。
KANAMETOは、LINE Technology Partnerにも認定されており、友だち追加したユーザが自主的に回答したアンケート回答結果をもとにセグメント配信可能なLINEメッセージ配信ツールです。
ユーザが友だち追加後にアンケートで「復興」「イベント」「子育て」「健康」「高齢」「障がい」「しごと」から任意の項目を「欲しい情報」として選択することで、選択した項目に応じて熊本市が情報をセグメント配信可能になりました。
これにより、例えば、「子育て」を選択した子育て世帯には健診等の情報を配信する一方、「高齢」を選択した高齢者へは高齢者支援センター等の情報を配信する事が可能になり、住民にLINEを通じて適切な情報を届ける事が可能になりました。
また、居住地を「校区」単位でアンケート回答を取得しており、従来は難しかった地域のお祭りやイベント情報も配信する事が可能になり、よりきめ細やかな地域に根ざした情報提供を実現しています。
従来は難しかった、地域のお祭り情報も配信可能になり、地域に根差した情報発信を実現。
その他にも、熊本市では、セグメント配信だけでなく「キーワード応答」機能を活用して「ごみの出し方」の案内もLINEで行なっています。具体的には、LINE公式アカウントのトークルームで「イス」等のキーワードを入力して送信すると、ごみの分別方法や出し方がメッセージで返って来ます。漢字、ひらがな、カタカナなど約3,300ワードに対応しており、日々、住民に利用されています。
情報を発信するだけでなく、ごみの出し方を案内するサービスも提供し、住民にとって「日常的に便利なサービス」をLINEで提供する取り組みを続けた結果、熊本市のLINE公式アカウントは全国の自治体が持つLINE公式アカウントの中でも多くの友だち数を誇るアカウントとなりました。
今後、KANAMETOの機能で実現可能となったリッチメニューの12分割や標準機能として追加されたチャットボット機能を活用して、市民サービスの利便性をさらに向上させる予定です。
<政策局 総合政策部 広報課 広報班 主事 中山浩志様>
LINEは多くの住民に利用されているSNSであり、既に熊本市にとって欠かせない情報発信ツールです。特にセグメント配信は、年齢・性別・校区・希望する情報などを組み合わせ、その人にあった情報を配信することができ、他のSNSにはない情報発信が可能です。
KANAMETOは操作も簡単でサポートも丁寧なため、安心して利用を継続しています。
今後もLINEの活用を促進し、より良い住民サービスの提供に繋げたいと考えています。
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