【導入事例】奈良県広陵町様:LINEを活用した広聴で、潜在化していた町民の声を聴き取り
- 「町に伝える」やミニアンケートによって幅広い層に町政参画を促す

事例概要

導入企業 奈良県 広陵町広陵町
主な利用機能 KANAMETO PUSH
(通報ソリューション、アンケート機能、セグメント配信機能など)

広陵町が抱えていた課題

町民との協働によるまちづくりを推進するため、幅広い町民に町政参画を促すプラットフォームとしてLINEを活用できるツールを求めていました

広陵町では、『みなさんと共に「いい町」づくり』をスローガンに掲げて、町民と協働のまちづくりを目指しています。
2021年6月には、住民自治を基盤としたまちづくりの指針を示した「広陵町自治基本条例」が施行され、町政運営における町民、町議会、行政の役割と責務が明記されました。その中で、町が持つ町政情報や町民が持つ公益情報を積極的に公開し、まちづくりに必要な情報を共有することが基本原則として記され、町は町民への説明・応答責任を果たすことが求められています。
これまで広陵町では、町民の意見を聴取する懇話会の実施や、町民から寄せられる町政への疑問や要望に答える「町長への手紙」事業、広報誌・公式ホームページによる広報活動を行ってきました。
広陵町は自治基本条例の理念に基づいて、より多くの町民から意見を聴き取り、広く町政情報を届けるために、月間アクティブユーザー数8,900万人(*)を誇る「LINE」に着目しました。
*2021年9月時点
町民の暮らしに身近な「LINE」を、町民参画の新たなプラットフォームとして活用するため、広報・広聴双方の機能を兼ね備えたLINE運用ツールが求められていました。

課題解決のためのソリューション

町政情報の効果的な発信と町民の声を収集する機能を備えたLINE運用ツールを導入

広陵町は、町民とのコミュニケーション活性化につながるツールとして、transcosmos online communicationsが提供する「KANAMETO(カナメト)」を導入しました。
「基本メニュー」「コロナ関連」「災害メニュー」の3種類のリッチメニューを設け、町政情報を分かりやすく提供するとともに、居住地や年代など利用者の属性に合わせた情報をセグメント配信することができます。従来の広報媒体では、求める情報を町民自身が探し出す必要がありましたが、LINEを活用することで町民のニーズに合わせた適切な情報を効果的に届けられるようになりました。
また、アンケート機能を利用して、シンプルな意識調査・ミニアンケートを手軽に実施することができます。単一回答や複数回答、テキストによるフリーアンサー、ファイルアップロードによる回答など、回答方式を自由に設定できます。利用者に対して、アンケートURLを掲載した上で回答を依頼するメッセージも配信可能です。町民が日頃使い慣れているLINEで調査を実施することで、これまで町政に関わる機会が限られていた方を含めて幅広い層からの回答を得られています。

▼広陵町が実施したミニアンケート

広陵町が実施したミニアンケート(LINEスタンプ人気投票)

更に、2021年9月より、KANAMETOの通報ソリューションを活用して、「町に伝える」事業を開始しました。町民がLINEからテキストと画像を送信することで、町への意見・要望を直接受け付ける取組です。
広陵町LINE公式アカウントのリッチメニューから「町に伝える」をタップするとチャットボットが起動し、利用者はシナリオに沿って意見・要望を入力します。

▼広陵町LINE公式アカウントにおける「町に伝える」の操作手順

広陵町LINE公式アカウントにおける「町に伝える」の操作手順

これまで行ってきた「町長への手紙」は、町公式ホームページの専用フォームから、意見・要望内容と併せて氏名・住所・連絡先などの個人情報を入力する必要があります。町民が地域生活を送る中で生まれた小さな気付きやアイデアを伝えるには、ハードルが高くなっていました。
一方「町に伝える」では、利用者は個人情報の入力は求められず、いつでも手軽にチャット感覚で意見・要望を町へ届けることができます。LINEで気軽に投稿できるので、これまで潜在化していた様々な町民の声をすくい上げることにつながります。
利用者が町からの個別回答を希望する場合は連絡先の入力が必須となるため、従来どおり「町長への手紙」から投稿する形になります。LINE公式アカウントにおいても、個別回答の希望有無に応じて、「町に伝える」や「町長への手紙」の利用を案内しています。
「町に伝える」の開始以来、半年で約30件のご意見・ご要望が寄せられ、公園の修繕依頼や危険地域の通報などに活用されました。特に、公園の修繕では、町民が普段から利用しているLINEから情報を受け付けることで、電話やメールで連絡するには大げさと感じられるような小さな気付き・不具合も、気軽に町へ情報提供されるようになりました。従来であれば町まで届けられず潜在化していた地域生活・安全に関する情報が、テキストと画像によって概要が分かる形で随時寄せられるため、町としても素早い初動対応が可能になりました。

町民はLINEから様々な形で町への意見を投稿することで、町政を身近に感じ、まちづくり参画の第一歩につながります。
広陵町LINE公式アカウントの友だち数は2022年2月時点で13,000人を超え、町の人口に基づいて計算すると、町民の4割近くが広陵町LINE公式アカウントを友だち追加している結果になります。
LINEは町政情報を分かりやすく発信する広報媒体であると同時に、町民の声をダイレクトに収集する「広聴」の場として、効果的に活用されています。

広陵町ご担当者様のコメント

<企画部未来都市推進課 LINE管理担当者>
KANAMETOの導入により、LINEを町民とのコミュニケーション窓口として活用することができました。特に、広聴媒体としての活用にメリットを感じており、町民意見を聴き取る広聴手段・チャネルを多様化させることができました。
「町に伝える」事業の開始当初、町へのクレームばかり投稿されるのではないかとの懸念もありましたが、実際にはそのような事態は起こらず、建設的なご意見が寄せられました。投稿者へ個別返信不要の広聴手段として庁内でも受け入れられ、町民からは気軽に町に声を届けられる点を評価されています。
今後も広報・広聴の両面でLINEを活用し、町民と協働のまちづくりを推進します。

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