【導入事例】福井県坂井市様:LINEで効果的な市政情報配信と自治会DXを実現
- 市民の個別ニーズに合わせた情報案内、電子回覧板で自治会業務を効率化

事例概要

導入自治体 福井県 坂井市坂井市
主な利用機能 KANAMETO PUSH
(セグメント配信、チャットボットなど)及び自治会サポ!との連携

坂井市が抱えていた課題

広報紙・行政文書を戸別配布している自治会の負担軽減や、紙文書が市民に読まれにくくなっている等の課題に対応するため、効果的に市政情報を配信・案内できるソリューションが求められていました

坂井市では、市政情報の周知方法として、自治会による広報紙・行政文書配布を実施してきました。しかし、市内の自治会加入率は年々減少し9割を下回る一方で、生活スタイルの多様化により、紙文書の一斉回覧では多くの人に目通しされにくい、また市民のニーズに合わせた情報を届けられないという課題も浮かび上がってきました。また、2020年から続いたコロナ禍においては、回覧板の受け渡しに伴う市民同士の対面・接触が感染防止の面で忌避されるようになり、全戸に市政情報を行き渡らせることが難しくなっています。

自治会の加入有無に関わらず広く市政情報を届ける手段として、月間利用者数9,500万人(*)を誇り幅広い年代に普及しているコミュニケーションアプリ「LINE」に着目しました。市民のニーズに合わせた情報を効果的、効率的に配信できるLINE活用ソシューションが求められていました。

(*)2023年3月末時点

課題解決のためのソリューション

セグメント配信やチャットボットなどの情報案内機能を備えたLINE運用ツールを導入、電子回覧板機能を備えた自治会DXツールと連携させることで、効果的な市政情報配信と自治会業務の効率化を両立

2023年1月、坂井市は、transcosmos online communicationsが提供する「KANAMETO(カナメト)」を導入し坂井市LINE公式アカウントを開設しました。市LINE公式アカウントのトーク画面に、「基本メニュー」「便利メニュー」2種類のメニューを設定し、市政情報を分かりやすく整理、案内しています。

▼坂井市LINE公式アカウントにおける市政情報の案内

坂井市LINE公式アカウントにおける市政情報の案内

「便利メニュー」には、FAQ(よくある質問)に自動応答するチャットボットがまとめられています。6分野(お悩みごと相談窓口/子育て/まちづくり/健康・福祉/くらしの手続き/生活関連)のチャットボットを利用でき、市民はシナリオに沿ってタップ操作することで定型的な疑問を自己解決できます。

「基本メニュー」では、防犯・防災、ごみ・リサイクルなどの情報を案内しているほか、「広報・配布文書」の枠をタップすると、広報紙の最新号・バックナンバーや行政文書配布文書、新着情報を手軽に確認できます。

また、KANAMETOのセグメント配信機能を活用して、市民の個々のニーズに合わせた市政情報配信を実現しました。市民は、受信設定アンケートにて年代や性別、居住地区・情報が必要な地区を回答することで、自身が求める情報のみ受信可能です。

▼坂井市LINE公式アカウントにおける受信設定アンケートと配信メッセージ

坂井市LINE公式アカウントにおける受信設定アンケートと配信メッセージ(広報紙発行と行政文書配布のお知らせを毎月配信)

リッチメニューやチャットボット、セグメント配信の活用によって、坂井市LINE公式アカウントは「市の玄関口」として機能し、紙の回覧板以外の方式で市政情報周知のチャネルを増やすことができました

更に、「自治会サポ!」とKANAMETOを連携させることで、従来の自治会業務の効率化にも取り組んでいます。

自治会サポ!とは、自治会ごとに回覧板やごみ当番の日程、訃報などの情報を、LINE経由で発信できる自治会向けDXツールです。市民(自治会加入者)は、坂井市LINE公式アカウント「基本メニュー」の「自治会サポ!」をタップして登録画面にアクセスし、氏名等の必要情報を入力の上、参加申請します。管理者(自治会役員)が承認すると自治会サポ!を利用できるようになります。

▼電子回覧板「自治会サポ!」利用イメージ

電子回覧板「自治会サポ!」利用イメージ(①ホーム画面で「お知らせ」をタップ/②閲覧したい「お知らせ」をタップ/③回覧文書・アンケート等を確認)

自治会役員が自治会サポ!上に回覧情報を掲載すると、自治会加入者へLINEメッセージで通知が届きます。各メンバーは自身の端末から閲覧でき「電子回覧板」として利用できるほか、アンケート機能によって地域のお祭りや清掃活動などの実施賛否や出欠を回答できます。

回覧板のデジタル化によって、紙文書印刷・配布の負担が減るだけでなく、回覧板を全戸に回す時間や工数が削減されます。また、テンプレートから回覧文書を作成できる機能や既読/未読確認機能を活用することで、自治会業務の効率化にもつながります。

自治会DXツール「自治会サポ!」と市LINE公式アカウントを連携させることで、自治会役員・加入者の利便性向上に寄与し、オフラインのつながりである「自治会」と、オンラインの伝達手段「LINE」の両輪で市政情報の周知、ひいては地域コミュニティ活性化を推進します

坂井市ご担当者様のコメント

<総合政策部 情報統計課 DX推進室 龍田 一樹 様>
市民のニーズに合わせたプッシュ型の情報発信を実現するKANAMETOと、自治会内での回覧をデジタル化する自治会サポを一体的に導入・推進することで、坂井市のLINE公式アカウントでは比較的高い年齢層の登録者が大きく伸びていると感じております。
また、多くの方が普段から利用しているLINEが入口となることで、ホームページや回覧板と比べて情報との距離感がぐっと縮まったのではないかと思います。
情報を取得する利便性が増したのはもちろん、市や自治会の発信する情報を意識し、触れる機会が新たに創出されたという意味でも、非常に大きな前進になりました。
今後も、KANAMETOと自治会サポ!を活用して、市民と協働したまちづくりを推進してまいります。

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